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【昇天】死んだら乗るべき! 敬遠されがちな宮型霊柩車はハンパないカッコよさにあふれていた!

レポート 取材

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みなさんはじめまして。京都の飲んだくれクソババアの平山と申します。
あだ名は「おかん」です。

 

先日こんなニュースを目にしました。お葬式に欠かせない乗り物といえば霊柩車ですよね。しかし、宮型霊柩車の乗り入れを禁止する自治体が増えている……という内容でした。なんでも「死をイメージさせるから」「不吉だから」というのが、主な乗り入れ禁止の理由らしいんです。

 

これがガチなら言ってる奴みんな不老不死か何かなの?

 

みんないつかは死ぬのにその発想ヤバくない?

 

そもそも私、宮型の霊柩車すごく好きなんです。あの荘厳なたたずまい、グッとくるものがありませんか。将来(死後)は豪華な霊柩車に乗って市内じゅうを駆け回り、「平山死にました!」とアピールしまくるという夢があったのですが、このままではその夢がついえるどころか、宮型霊柩車がこの国から消えてしまう……!

 

いまこそ宮型霊柩車の魅力をみなさまにお伝えしたい!そう一念発起し、葬儀屋さん&霊柩車屋さんのところに行ってきました。

 

兵庫県伊丹市の葬儀社「速水葬祭」さんへ

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撮影同行のマツダとともに、やってきたのは兵庫県伊丹市にある葬儀社「速水葬祭」さん。偶然にもわたしの地元です。おそるおそるアポイントをしたら「いいですよ~」と即オッケーをいただいたうえに、なんと霊柩車屋さんまでご紹介してくれるという優しさ出血大サービス。なにこれ聖人かなにか?

 

ごめんくださ~い、と扉をあけると、

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速水葬祭代表の速水さんが出迎えてくれました!

 

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本日はよろしくお願いします!

 

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よろしくお願いします。早速なんですが、今日は会場でお葬式をしているので、いまから霊柩車をあつかう「阪神特殊自動車」さんに移動しましょう。

 

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あああ、お忙しいところホントすみません……!

 

会場内はちょうどご葬儀の最中だったので写真がありませんが、速水葬祭さんは家族葬を中心とした町の葬儀屋さん。業務だけではなく「伊丹のおくりびと」としてブログ執筆をおこなうなど、積極的に情報発信をしている方です。葬儀屋さんでこういう人って珍しいんじゃないでしょうか。

 

▼霊柩車をあつかう「阪神特殊自動車」さんへ!

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さて、速水葬祭さんから車で10分ほどの距離にある「阪神特殊自動車」さんにやってきました。

 

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ちょっと待て。その格好は何だ。

 

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いやぁ、せっかく話を聞くなら正装で挑むべきかなって……。

 

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なかなか似合ってますよ。

 

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わーい!ありがとうございます!それでは早速、中でお話をおうかがいしましょう!

 

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ええ……。

 

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応接室に案内してもらいました。速水さんと一緒にお話をおうかがいするのは、阪神特殊自動車のご担当、丸野さんです。

 

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まずは宮型霊柩車の前に、最近のお葬式事情についておうかがいしたいんですが……。どうしてこんなに宮型霊柩車が減っちゃったんですか?これって最近の死生観が変わってきたからなんですか?宮型霊柩車大好きなんですけど!大好きなんですけどー!

 

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落ち着け。

 

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まあ、まずは葬儀が個人化してる、というのがしっくりくるかもしれませんね。昔はお葬式ってコミュニティでの行事でしたが、いまでは都市部においては約9割が家族やその周辺の人たちで行う「親族葬」なんです。

 

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お葬式の規模が小さくなるにしたがって、霊柩車も一見するとそれとわかりにくい洋型の需要が増えていきましたね。

 

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それに霊柩車の乗り入れ禁止には、地域開発の影響がすごく大きいんですよ。火葬場ってだいたい町外れにあるんですが、そこに行くまでの山道が宅地開発されて、住宅地になる。するとそこの住人たちは連日、ご遺体を載せた霊柩車を見るわけですよね。それが不吉だ、ということで、せめて「いかにも霊柩車」な宮型は通さないでくれ……という要望が出てきてしまった。

 

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うーん、宮型霊柩車が通るのって、そんなに嫌なのかな。わたしが宮型霊柩車好きだからそれほど何も思わないだけなのか……。

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シュールな絵面。

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そういえば大学の近くなんですが、某葬儀屋さんが葬儀会館を建てたんですよね。ただ、近隣住民の反対にあって、建物あるものの運用はされなかったんです。連日、トラメガ持った住民VS記録録画する社員のデスマッチ状態で。

 

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そこらへんの住民心理は霊柩車のそれに近いところはあるかもしれないですね。

 

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それって正直、棚上げだと思うんですよねぇ。それで反対してる人も、いつかは死んで、どこぞの知らない人たちの反対を押し切った葬儀会館でお葬式をあげるんでしょ……と思うと。

 

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まあ、みんな自分が死ぬ時のことは考えてないんでしょう。

 

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辛辣で笑う。

 

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それに、地域の葬儀社さんならともかく、大きな企業が運営する葬儀会館だと、縁もゆかりもない人が来るから嫌悪感が増すのかもしれないですね。

 

▼どんどん姿を消す宮型霊柩車

 

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今回のアポイントではじめて知ったんですが、葬儀屋さんが霊柩車を持っているというわけではないんですね。

 

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地域差によって違いがあるんですが、昔から京阪神エリアでは霊柩車は主に外注ですね。もちろん、持とうと思えば葬儀社が個別で持てるんですが、なんせ高いんですよ。

 

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車自体の値段に、まず約15002000万。外車でしたら3000万近くの価格になります。そこに宮型の本体をつけるので、さらに1000万以上はかかります。

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都会で一軒家が買えるレベルや。

 

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葬儀社が個人でそのコストを負担するのは荷が重すぎますよね。なので、僕たちのような霊柩車専門の配車専門、タクシー屋のような業者があるんです。ただ、その業者自体も宮型を持っているところが少なくなっています。大手の会社さんなんかも、数を減らしていってる。コストに見合うだけの需要が少ないので。

 

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「○○○さんのところだって、いまはもう(宮型)ないもん」「○○○が!?マジですか~!」と葬儀社談義に花をさかせていました。完全にぶっちゃけトーク。

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他の会社さんに車がない時は、うちの車を利用していただいたりしてます。昨日一昨日も他社さんから、配車のご連絡をもらってお貸ししました。手放した業者さんも「やっぱり宮型霊柩車はいいな」と言っていただけますね。

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続きは実際に実物を見ながらにしましょうか。

 

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それじゃあ、裏からガレージに回っていただきましょう。

▼いざ!霊柩車とご対面!

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事務所の裏に周り、ガレージに向かうと……

 

うおおおおおおお!!れ、霊柩車がいっぱいいい!

ひゃわ~~~!

かっこいい!超かっこいい!!

 

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うちでは黒檀と白木の霊柩車、それぞれ2台ずつを所有しています。

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白い布がかかっているのが白木ですか?

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そうですね。日焼け防止に普段は布をかけて保護してます。まずは黒檀の霊柩車から見ていただきましょうか。

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念願かなって霊柩車を間近で見られ、大興奮のわたし。心の底から嬉しそうな顔してる。むふふふふ……!

 

▼重厚な彫り込みが激シブ、黒檀の霊柩車

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素人目にも年季の入っていることがうかがえる黒檀の宮型。唐破風の屋根が威厳のある雰囲気をかもしだしています。

 

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造形がめちゃくちゃ細かいですね!

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やっぱり昔の宮型は造形が凝ってるものが多いですね。それだけ予算も潤沢にありましたから。

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欄間に彫り込まれた、花の美しいこと!花びら1枚1枚が丁寧につくられています。

 

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ここなんかはねえ、すごいですよ。後ろの欄間。

 

f:id:yh1123:20160225221153j:plain獅子!!!

 

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かっこいい!!

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これを欲しいという方も多いです。何度か「譲ってくれ」という声もありましたが、代表から「これは絶対に捨てるな」と念押しされているものですね。

f:id:yh1123:20160225232059j:plain霊柩車の内部はこんな感じ。外見の豪華なつくり込みとは対照的にシンプルなつくりです。壁紙を張り替えるなどのケアはしているそう。ガラス窓の透かし彫りが美しいですね。

 

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次は白木の霊柩車を見てみましょうか。

f:id:yh1123:20160225221156j:plain丸尾さんと速水さん、ふたりがかりで霊柩車にかけられたカバーを外していきます。カバーは巨大な布をパーツごとにわけられている完全武装状態。

 

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ガレージのなかであっても、カバーはしたままなんですね。

 

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白木の霊柩車がカバーを外すのは、基本的に葬儀場から火葬場までの行き道だけなんですよ。

 

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そうなの!?

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白木はコーティングをしている部分はありますが、基本的には常に剥き身の状態です。砂ホコリや汚れなどがつきやすいし、日焼けもしやすい。しかも汚れが目立ちやすいんです。カバーを外して道を走るのは、ご遺体を火葬場へ運ぶときだけで、その他はカバーをかけて保護しています。

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そういえばカバーのついた霊柩車を見たことがあるな……。雨の日はどうするんですか?

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もちろん、カッパも完備してますよ!

 

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と、後部のドアからおもむろに霊柩車用のカッパを取り出す丸野さん。カッパはすぐに装着できるよう、たたみ方も工夫されているんだそう。

 

そんなこんなで、全てのカバーが外され、白木の霊柩車がお目見え!

▼大興奮!美しい白木の宮型霊柩車

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ギャワーーーー!!美人!!!

 

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どんな反応!?

 

一点の曇りもないナチュラルな木のたたずまい。窓から差し込む陽光に輝く色白なボディ!これを美人と言わずに何と言いましょうか。黒檀が霊柩車界の激渋ベテラン俳優だとするなら、こっちは霊柩車界における国民的美少女や~!!

 

美しすぎる~~~~~!!!!!

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じつは映画にも出演してるんですよね。『縫い断つ人』という作品で中谷美紀さんが助手席に座ってたんです。

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銀幕デビューも果たしているとは……。恐れ入りました!

f:id:yh1123:20160225221158j:plain彫り込みは比較的シンプルで、それがよりいっそう白木の美しさを際立たせています。

 

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窓についてるこの円は何ですか?

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これはねえ、上の四角い部分に表札を引っ掛けて、円のなかに家紋が入るんです。

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値打ちもんでしょ? 表札は霊柩車屋さんたちの手書きです。毎回毎回、カンナで削って書き直して。達筆じゃないといけないので、書けるメンバーも限られるわけです。

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毎回削るとなると、表札がどんどんスリムになっていくんじゃないですか?

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はい。薄くなったら今度は黒檀のものに移します。やっぱり白木は木の幅が太い方が似合うので。

 

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表札と家紋をつけたらこんな感じに。なんともイイ見栄えです!

 

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宮型霊柩車の配車って年に何回くらいですかね。

 

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1ヶ月に10台くらいの出車でしょうか。

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あれ、意外と多い?

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いやいや!全体で見れば少ないですよ。この高齢化社会ですから、葬儀自体はもっと発生してます。

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年間役100台強か。それが何千万もするって、超贅沢な乗り物じゃないですか。

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そうですよ。初期投資も高額ですが、さらに維持費がかかります。この白木の霊柩車は、日焼けして表面が黄ばむので、年に1回、宮大工さんのところにあずけてクリーニングをしてもらっています。全部をバラして、カンナで削るんですよ。それだけでも何百万という費用が発生します。

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え、じゃあ20年のうちにどんどんスリムになってるってこと?

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さっきからその「スリムになる」って表現何なのさ。

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有り体に言えばそうなるんですが……。事務所に戻ってきた霊柩車はまず、ブロアーでホコリを吹き飛ばします。そのあとカバーをかぶせて車を保管します。ガレージの入り口からも紫外線は入ってきますから。

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家のなかでも日焼け止め塗ってる系の、女子力高いやつみたいだな……。

f:id:yh1123:20160225221204j:plain「こんな感じでプシュッと」「あぶぶぶぶぶぶ」

 

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埃がつきやすい部分があるんですよね。霊柩車は必要な時以外はまず触りません。指紋がついてもいけないし、いちいち削るのも大変ですから。それでも角っこは汚れやすいんです。

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そういう時はね、これ。

f:id:yh1123:20160226004419j:plainスッ……

 

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消しゴム!?

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幕と白木が触れ合って角が黒くなりやすいんですよ。で、消しゴムでこすって汚れを落とす。これが僕らの経験で一番いいやり方。

 

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まさに知ってトクする霊柩車界の裏技。

▼ドアの向こうは楽園!? 知られざる白木霊柩車の内側

 

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そうそう、白木の霊柩車は、黒檀とは逆で内部が豪華なんですよ。ほら、こんな感じで……。

 

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うわー!めっちゃくちゃ豪華やーー!!

 

f:id:yh1123:20160225221202j:plain飾り気のないシンプルな外観と違って、なかは非常にゴージャスなつくり。天井には龍の天井画、壁面には優雅な天女の彫刻が!

 

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見てください!ドアの内側に迦陵頻迦がいる!

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か、かりょうびんが……?

 

f:id:yh1123:20160225221201j:plain「わたしです」

 

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迦陵頻迦ってのは仏教界のミュージシャンで、その美しい声で法を歌うように説くそうなんですよ!これが描かれたものは極楽浄土を表現してるとも言われているので、まさに棺をおさめる部屋にはピッタリの存在ですね!

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一目で迦陵頻迦だとわかるなんてスゴいですねぇ!

 

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なんでそんなこと知ってるねん

 

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このなかに入って運ばれるって、マジで幸せすぎません?

 

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やはり死者を弔うだけではなく、浄土へ連れて行ってあげるための空間ですからね。

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入っていいですか?

 

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いや、あの……。

 

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入っていいですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

スイー……

 

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▼史上初!?生きながらにして霊柩車のなかへ

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ぎゃわ~~~~!!

すごい!!わたし!いま!極楽浄土にいる〜!!

 

不思議です。実際のところ空間自体は決して広くないんですが、ちっとも狭く感じないんです。灯籠のオレンジ色の明かりが心地よいし、天女は舞ってるし、キラキラしてるけどケバくないし、ほどよく窓から日光が入ってくるし、最高の居心地!

 

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死んでから最後の移動がこの車なんて幸せすぎる……!

こんなに霊柩車のなかがハイスペックスペースだなんて知らなかった。てっきり殺風景な部屋かとばかり……!

 

入ってはじめて実感したんですが、霊柩車というのは、単純に弔いのためを目的とした車ではなく、死者と気持ちよくお別れし、浄土に行ってもらうために先人たちの残した「おもてなし」のひとつなんじゃないでしょうか。

 

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これでもまだシンプルなほうです。そもそも白木の霊柩車は関西独自のものですし。

 

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やっぱり名古屋なんかは派手派手なんですかね?

 

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鈴鹿山脈を越えたら趣向がガラリと変わりますね。もうキンキラキンです。屋根飾りも、龍とか鶴とか、大きなものになってきます。

 

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霊柩車にも土地柄がでるのか~。他の地方の霊柩車も見てみたい!

 

f:id:yh1123:20160225221209j:plainいや~、極楽すぎる。マジで毎晩ここで寝たい。

 

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あ、でも……こんなに豪華な車ですし、お高いんですよね?

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いえ!じつはお値段は洋型とほとんど変わりません!

 

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何ィ!?じゃあなおさら宮型乗らなきゃ損じゃない!

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唐突に現金な顔を見せるのやめろ。

 

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宮型のなかでいちばん可愛かった天女。ひいているのは琴でしょうか。

 

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いやー、貴重なものを見せていただきました!ありがとうございます!こんなに見た目にも美しい造形で、こだわりぬかれたものが「死をイメージするから通らないでくれ」って避けられつつあるなんて、本当にもったいないと思います。

 

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じつは霊柩車自体の歴史はそれほど長いものではありません。車の普及が明治以降ですから。そうはいっても脈々と受け継がれてきたものでもある。しかし、ここ20年くらいで、死者に関わる価値観がガラリと変わってきたのも事実で。

 

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言い方は悪いんですけど、ぶっちゃけ死んじゃったらもう、本人のあずかり知らぬところじゃないですか。だからこそ最近は、お葬式も小規模だし、お墓もなくていい……って人も多い訳ですもんね。

 

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下手すれば、お預かりしてすぐ、式もせずに火葬。飾りもなしに。悲しい話なんですけどね。

 

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お墓は管理の問題があるので、個人的には絶対に必要とは思わないんですよ。ただ、お葬式はちゃんとしたいし、してほしいですね。霊柩車に乗せてお別れをするのも、個人への配慮だけじゃなくて、残された側がちゃんと死者と線を引くというか……。送る人に取っても意味のあることやなあ、と思いましたね。

 

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実際そういった例はあります。お葬式をせずに、日常生活と地続きで弔ってしまったので、心の整理ができずに、最終的には体調を崩されたそうで。葬儀ってのは送り出す側の心の整理もあるかもしれませんね。

 

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間近で宮型霊柩車を見て、実際に乗って感じたんですが、ホントに素晴らしい文化だなぁ! 特別な形でお別れができるし、あと「最後にカッコいい車に乗せて運んだる!」っていう、昔の人たちの心意気が垣間見える。

 

f:id:yh1123:20160225221206j:plainマツダ「夢の国から帰ってきたような顔してるな」

 

最近はバングラデシュの人が霊柩車を見にいらっしゃるんだそう。ニュースでも聞いたことがあるかもしれませんが、アジア圏で「走る寺だ!」とブームだなんだそうで。

 

ただ霊柩車ってメンテナンスが大変な分、熱帯や寒冷地にいくと即傷んじゃうと思うんですよね、どうするんだろ。

 

宮型霊柩車は、寺や神社をなどにも携わる宮大工さんの手によって丁寧につくられています。「不吉」と目を背けてしまうのは簡単ですが、その繊細な造形美、そして霊柩車というものの背景にある日本人の心遣いをいま一度再確認してほしい〜!

 

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そして、霊柩車を見た時は親指を隠すんじゃなくて、ぜひとも手を合わせてやってください。

 

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たしかに、挨拶としてはそれが正しいですもんね。心がけます!

 

霊柩車を近くで見たい!ともすれば乗りたい!という夢が叶ったと同時に、生き死にに対してもいろいろと考えさせられる1日でした。

 

取材にご協力いただいた速水葬祭の速水さん、阪神特殊自動車の丸野さん、どうもありがとうございました!

 

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よーし!カッコいい宮型に乗れるように、がんばって天寿を全うするぞー!

 

 

取材協力

株式会社 速水葬祭(伊丹市規格葬儀取扱指定店)

阪神特殊自動車株式会社